校長挨拶

 本校は、福島県浜通り地方最北端である新地町の南側に位置しています。学級数7、全校生130名、素直で元気いっぱいの子どもたちが通う学校です。私たちの校舎は旧国道6号線の西側にあり、ミニキャンパスを思わせる、時計台と中庭が印象的なデザインです。平成13年に建てられた校舎は、オープンスペースを広くとった教室棟、吹き抜けの多目的ホールや図書室はとても開放的で、多面的に学習活動が展開できるスペースとなっています。特別室棟と体育館は別棟になっており、敷地内の屋外通路を通って移動します。敷地内には、たくさんの草花や樹木が植栽されており、季節ごとに学校生活に彩りを与えています。自然豊かな環境の中で、子どもたちはのびのびと学校生活を送っています。

 本校は「かしこく やさしく たくましく」の教育目標のもと、本年度の重点目標を「やればできる! 進んで じっくり 最後まで!」と設定しました。「進んで」とは、自分でよく考え、意欲をもって進んで行動すること(主体・意欲)、「じっくり」とは、自分の目標に向かい、自信をもって根気強く努力すること(根気・努力)、「最後まで!」とは、あきらめずに最後までやりぬき、新しい目標をもつこと(徹底・未来)の意味が込められています。そのためには、「やればできる!」という意欲と自信をもち、目標達成までの道筋を明確に見通すことがとても重要です。この重点目標を合言葉にして、学校全体で教育目標の具現化に向けて各種教育活動に勇往邁進していきます。

 本校の特色ある教育活動のうち、3つを紹介します。

 1つ目は、町内全小中学校が、GIGAスクール構想の充実に向け「ICT活用」を図った授業の充実に取り組んでいることです。全ての教室に電子黒板や大型テレビを配置するとともに、10年以上前から最新のタブレット端末が子どもたちに一人一台ずつ使用できるように整備されており、子どもたちのICT活用能力はとても高いレベルになっています。また、ICT機器の活用を支援するICT支援員が常勤で配置され、授業の充実を支援しています。11月には、町内の小中学校でICT活用発表会が開催され、県内外から多くの方が参加します。学校・教育委員会・関係企業等の連携により、子どもたち一人一人のICT活用力と学ぶ意欲、思考力・判断力・表現力を高め、福島の未来を担う人材育成に努めています。

 

 2つ目は、これも町内全小中学校が、健康的な生活に向けて食を中心とした生活習慣の改善に取り組んでいることです。「新地の子どもは、さ・わ・や・か・だ!」をスローガンとして、魚、和食、野菜、海藻、だしや大豆食品を中心とした食材、地場産物を積極的に活用した給食の実施、親子食育講座、我が家のおすすめ料理コンテストなど、町をあげて食育を進めています。また、新地小学校の栄養教諭を講師として招き、「食」に関する授業を行っています。さらに、そら豆やグリンピースのさやむきをしたり、ホッキ飯をつくったりするなど、自分が食べる食材を実際にさわる体験を通して、「食」への興味・関心を高めるための取組も行っています。

 
 3つ目は、「花いっぱい運動」を中心とした緑化活動、学校環境整備の充実に努めていることです。本校は、昭和51年に「新地町緑の少年団」を発足させて以来、伝統的に緑化活動や花いっぱい運動に取り組んできました。全校生で花壇やプランターに花を植える活動に加え、地域の方々と協力して花壇づくりをしたり、地域の施設にプランターを贈ったりしています。その成果が認められ、令和元年の緑化推進運動功労者内閣総理大臣賞をはじめとして、数々の受賞歴があります。本年度も、地域の方々にもご協力をいただきながら、花いっぱい運動を進めて参ります。


 さらに、新地町や教育委員会の事業や、様々な教育団体や地域企業の皆様による出前授業などを通して、多角的多面的な教育活動を推進しています。また、本校のPTAによる活動や、歴代PTA会長会による「大銀杏賞」表彰活動などにより、子どもたちは生き生きと学校生活を送っています。令和4年度には「優良PTA文部科学大臣表彰」を受賞しました。これは、本校が長年にわたって、新地町、保護者や地域の皆様に支えられながら、「チーム駒小」で教育活動を推進してきたことへの勲章です。

 

 「人と自然が共に輝き、笑顔あふれるまち」新地町。駒ケ嶺小学校は、子どもたちの夢の実現に向けて日々教育活動に取り組み、子どもたちの成長を支えながら、未来のふるさとを創造しようと勇往邁進しています。

 

令和6年4月1日
新地町立駒ケ嶺小学校長 五十嵐 隆之